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鈴木直人伝説

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 梅雨の柔らかい雨が降リ続く夕方、黒いスーツ姿の鈴木先生は定刻どおり待ち合わせの喫茶店に現れた。信じ難い事だが先生は普通のサラリーマンなのだそうだ。手前朝日は感動に胸を震わせながら巨匠をテーブルに招いた。
「お忙しいところすいません。鈴木先生ですね。意外にお若いのでびっくりしました」
「いやいや、お世話掛けます。私創土社を担当しております二代目宗家鈴木直人です」
「…えっ!」
「先代はSOUGEN社で燃えつきまして。私二代目宗家を先日襲名しました。ご存知無いでしょうが「鈴木直人」は世襲制なのです」
 そういって先生は名刺を差し出した。
「は、はあ。すると…先代とは別人なんですか?」
「もちろんです。私はあれほどアルコール依存症ではありませんからなぁ。ハッハッハ。今の創土社の鈴木作品は全て私のオリジナル作品です」
「……」
「チョコナイ読後感拝見いたしました。朝日さんの分析の鋭さには先代もびっくりしておりました。今日ご連絡したのは他でもありません」
 先生はおもむろにアタッシュケースから書類を取り出した。
「剣社通信でも呼びかけたんですが、『鈴木直人に何を書かせたいか』というアンケートの回答回収率が今1歩らしいのです。ここは一つ『公式HP』としてのご協力をお願いしたいので、このような企画を考えたんですよ」
 渡されたA4の用紙にはこう記されていた。

企画書《剣社通信:俺を出せ》
応募資格:自称ゲームブックファンであること。
応募方法:鈴木直人に書かせたい新作に関して
1)ジャンル
2)システム
3)難易度
4)年齢 性別 ハンドルネーム
明記で掲示板に書き込むこと。

参考にさせていただいた方は、「新作の鈴木直人作品」内でハンドルネームでの「モンスター」として登場していただきます。
管理人及び創土社編集担当および著者プラス挿絵画家で審査します。
「モンスター」としての扱いは例え「レベルアップ用雑魚キャラ」であっても「トイレに潜む変態エンガチョキャラ」であっても文句を言わない事を宣誓できる方のみ応募下さい。


「ふうむ、つまりアンケートに答えてくれたらゲームブックに登場できると…」
「そうです。ガキンチョ向けのゲームソフトが良くやる手のようですな。(笑)先代がゲームブックを書いていたときはそれなりの『市場が見えていた』状態でしたが、今はまったくもって市場があるのか、ないのか、ないのか、ないのか、ないのか、ないのか、分からないんですよ。で、どうせ市場がないなら、(酒井さんごめん)商売抜きでゲームブックファンのために、その意見を尊重して書きましょう。しかもみんな参加してのお祭りでもしちゃおうかな…って」
「な、なるほど!」
「聞きたいのはシステムやインターフェイスは、新しいほうがいいか旧い慣れたものがいいかです。世界観・キャスト・ストーリーはもちろんこちらで用意しますし、アドバイスは頂きますがそんなことよりも『まだマッピングしたい?』『バトルは面倒くさくない?』『いままでのゲームのスタイルでいいんかい?』ってことを聞きたくて先代もいろいろ試してたんですが、どうもそういった評価は売れ行きに反映しないようで(笑)」
「そうですか…」
「いままでも尿道結石から1万円札までなんでも募集してたんですが、一度としてそういった珍品が送られてくることもありませんでした。そうそう、メスロン宛に女性ファンからのチョコレートがありがたかったですな。(笑) ただ募集するんではなく、このような特典をつけようと思ったわけです」
「た、たいした特典ではないですね…。わかりました。鈴木直人伝説のどこかにこの企画を掲載しましょう。その新作はいつまでに出すおつもりですか?」
「…アンケートの集まりと創土社のスケジュール次第ですが500分岐程度の物なら2004年暮れってところでしょう。本業との兼ね合いもありますが、『二代目虎井安夫』に協力してもらって鋭意努力していきます。ということで、公式HPとしてのご協力お願いいたします」
「手前もただで『公式』の名を下賜されるとは思ってはいませんでしたが、それにしてもただより高いものは無…。い、いえ、何でもありません」


 自称二代目はネクタイを締めなおし席を立った。名刺には印刷した「鈴木直人」の前に手書きの文字で「二代目宗家」と書き加えてある。次に現れるときは三代目なのか本家なのか家元なのか、元祖パオトなのだろうか。…まったく奇奇怪怪な。

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以上の企画に参加を希望される方は、掲示板にお越し下さい。

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